Odissiとは?

東インド古典舞踊 Odissi Danceについて
2020-08-06


 インドの東、ヒンドゥー教の大聖地として栄えてきたベンガル湾に面するオリッサ州のジャガンナータ寺院にて、「マハリ」と呼ばれる巫女がジャガンナータ神の前で儀式として日夜踊っていた奉納の舞が歴史を経て舞台芸術として確立したといわれています。寺院の彫刻に命が吹き込まれ、動き出したかのような、踊りであることから、オディッシーは『動く彫刻』と呼ばれています。
 英国統治時代に女性が舞うことが禁止され一時衰退しますが、ゴティプアと呼ばれるマハリの後を継ぎ選ばれた少年達が寺院で奉納を行うようになりました。ゴティプア出身であるGuru Kerucharan Mohapatra とGuru Pannkaji charan 、Guru Deba Plasad Dasの三人によりさまざまな聖典や石造彫刻などから研究を重ね現在の形になったといわれています。Guru Kerucharan Mohapatraは世界的にOdissiDanceを広めた第一人者であると讃えられ、インド人間国宝の称号を受けています。                          

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現在は、オリッサ州では、TVCMやニュースのキャラクターなど、全てにおいて踊り子たちが登場したりするほど土地に根付いた踊りです。もともとヒンズー教になる前から伝わる踊りで、その起源をたどると、密教や、仏教と深くかかわりがあったということが、解明されてきています。あまり知られていませんが、マイケルジャクソンや、マドンナのPVなどでもオディッシーダンサーが登場していたり、世界不思議発見や世界遺産などでも特集を組まれたことがあります。
 上半身の流れるような優雅な動きに反して、ステップは大地を踏みしめる様に力強く複雑なリズムを展開していきます。これは、シヴァ神とパルバッティ神をも表しています。表面的なものだけではなく、内側から意識をしていくことで、最初に踊られる演目にて神を呼びこみ、一体となり、5曲目に踊られるモクシャという最後に踊る演目により、来ていただいた神に天へとお帰りいただくというプログラム構成がなされています。
 首や手や眼の動きには全て意味が含まれ四肢、頭、眉、瞳、頬の筋肉、唇などを自在にコントロールすることで、ラサ(情趣)を呼び起こしていきます。ラサは、ヴァーヴァ(感情)なしには存在しえないと言われています。
私は、オディッシーダンスという踊りと出会い、踊れば踊るほどに、神髄を体感し学びを頂きます。全てのインド哲学は、繋がっていると感じます。YOGAや音楽も表現が違うだけで、道は同じだと思います。

私のOdissiとの出会いとGuru への思い

 私が、Srjanに辿り着くまでには、10年の月日が流れました。20歳の頃、野外のイベントにて聞こえてくる素敵な音色にインド料理屋台のお手伝いを抜け出し、観たのがOdissi Dance。それから2000年に遊学でインドに行ったものの、オリッサに行くのを何故か諦めてしまいました。それから月日がたち、Gurujiが天国へと旅立ってしまった時には、愕然とし、お会いしたこともないのに、その時の元師の追悼公演で師の背後に後光が下りた瞬間から身体が震え涙が止まらなくなってしまいました。結構な飽き性の私が、この踊りに対してだけは何故ここまでの執着があるのかと自分でもよくわからず考えたこともあります。まだまだ半人前ですが、現在は、この踊りを人生の道であると理解し、ただひたすら邁進していくことが私の人生だと言えます。私の元師より教える事が難しくなってしまう出来事が起こった時も、かなりショックでしたが、このことがきっかけになり、師に甘えていた自分にも気がつき、自分自身と向き合う時間となり、またプロへの転向を志すことにもなりました。
 08年に修行しに急にSrjanに押し掛けたにもかかわらず、とても親切に時には、厳しく、毎日朝から夜遅くまでレッスンを教えてくださったGuru Sujata.基本的には、外出禁止なので、遊ぶ暇があるならひたすら練習。(遊ぶ暇はありません。)覚えられなければ、次に進めないので、無我夢中で毎日を過ごしました。恩師に出会い、数多くの事を学びました。日本人の私たちが忘れてしまったような、江戸しぐさのような、気遣いや奥ゆかしさ、懐の温かさ。踊りに対する情熱。全てのものに神が存在していると自覚させられました。2010年Guru Sujataより直々にプジャーをしていただけた事をとてもうれしく思います。
練習場には、Gurujiが今も生きているように感じる事ができます。私は、生涯を通してGuru Kerucharanjiが完成させたOdissi Danceを後生に伝えていけたらと思います。
Guru Ratikant&Sujataには心から感謝です。